×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「パリちゃーん!!」
不意に呼ばれて振り返ると眼前に小さな足が迫っていた。
「うおおっ!?」
「かくごーっ!!」
咄嗟にパリスはしゃがみ、間一髪のところでその飛び蹴りを避けた。標的を失った小さな体は一歩先にすたん、と着地する。しかし次の瞬間、今度は低い体勢のまま足を狙ってくる。手をついて体ごと後ろに移動した。そうすると元々ある足の長さのお陰でノクスの足は届かない。顔を顰めたノクスは立ち上がってパリスの体目掛けて突っ込んできた。そして右、左とパンチを繰り出すが同じく立ち上がったパリスの腕によって右手は払い除けられ左手は掌で受け止められた。次の攻撃をノクスが仕掛ける前にパリスの手はノクスの首根っこに伸びる。そしてそのまま掴み、体重が軽いノクスはひょいっと持ち上がった。
「おっ前、不意打ちとかなしだろー」
「パリちゃん・・・!たんま!こうさーん!!」
大して力は入れてないもののノクスの体は宙に浮いてぶらぶらしている。そして少し苦しそうだった。そんなノクスをパリスは地面に降ろしてやる。ノクスは苦しさから解放され、ほうっと息を吐いてその場に座り込んだ。同じようにパリスも腰を下ろした。パリスが座るのを待ってからノクスはその場にごろんと寝転がり口を開けた。
「パリちゃん、つよいね」
「当たり前だ、本業だぜ!」
「ふいうちでも?」
「不意打ちでも」
ノクスが発する言葉は全て平仮名になって聞こえるなあと、パリスはこそっと笑う。それを当人は知ってか知らずか、うーんと伸びをした。
「あーあ、いつか、パリちゃんをたおせるくらいに、つよくなりたーい!」
「素手でか?」
「うん、そう!」
この歳の女の子にしては充分強いのに、と言いかけたがまあそれもありだと思い直して黙っていることにした。パリス的に剣を持ったり物騒な格好をしているより、有りの侭の姿で居てほしいというのも事実だった。
「ねーえ、パリちゃん」
「なんだ?」
雲一つない空を見上げながら答える。日が暮れるのが早くなってきたと肌で感じれるこの時期は、天が高くて風が気持ちいい。きっとノクスも同じことを考えているのだろう、パリスがノクスをちらっと見ると目尻に皺を作って幸せそうに微笑んでいた。
「なんでもなーい」
くすくすとノクスが笑った。とても、微睡みたくなる午後のこと。
不意に呼ばれて振り返ると眼前に小さな足が迫っていた。
「うおおっ!?」
「かくごーっ!!」
咄嗟にパリスはしゃがみ、間一髪のところでその飛び蹴りを避けた。標的を失った小さな体は一歩先にすたん、と着地する。しかし次の瞬間、今度は低い体勢のまま足を狙ってくる。手をついて体ごと後ろに移動した。そうすると元々ある足の長さのお陰でノクスの足は届かない。顔を顰めたノクスは立ち上がってパリスの体目掛けて突っ込んできた。そして右、左とパンチを繰り出すが同じく立ち上がったパリスの腕によって右手は払い除けられ左手は掌で受け止められた。次の攻撃をノクスが仕掛ける前にパリスの手はノクスの首根っこに伸びる。そしてそのまま掴み、体重が軽いノクスはひょいっと持ち上がった。
「おっ前、不意打ちとかなしだろー」
「パリちゃん・・・!たんま!こうさーん!!」
大して力は入れてないもののノクスの体は宙に浮いてぶらぶらしている。そして少し苦しそうだった。そんなノクスをパリスは地面に降ろしてやる。ノクスは苦しさから解放され、ほうっと息を吐いてその場に座り込んだ。同じようにパリスも腰を下ろした。パリスが座るのを待ってからノクスはその場にごろんと寝転がり口を開けた。
「パリちゃん、つよいね」
「当たり前だ、本業だぜ!」
「ふいうちでも?」
「不意打ちでも」
ノクスが発する言葉は全て平仮名になって聞こえるなあと、パリスはこそっと笑う。それを当人は知ってか知らずか、うーんと伸びをした。
「あーあ、いつか、パリちゃんをたおせるくらいに、つよくなりたーい!」
「素手でか?」
「うん、そう!」
この歳の女の子にしては充分強いのに、と言いかけたがまあそれもありだと思い直して黙っていることにした。パリス的に剣を持ったり物騒な格好をしているより、有りの侭の姿で居てほしいというのも事実だった。
「ねーえ、パリちゃん」
「なんだ?」
雲一つない空を見上げながら答える。日が暮れるのが早くなってきたと肌で感じれるこの時期は、天が高くて風が気持ちいい。きっとノクスも同じことを考えているのだろう、パリスがノクスをちらっと見ると目尻に皺を作って幸せそうに微笑んでいた。
「なんでもなーい」
くすくすとノクスが笑った。とても、微睡みたくなる午後のこと。
PR
COMMENT FORM
COMMENT